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煩わしそうな声と共に三津の体は放り投げられた。
「ん!?」
ふわっと浮いた感覚もほんの一瞬,次には草むらに体が沈んだ。
激しく体を打ち付けてと,ガサガサと音を立てながら三津は転がった。
『痛い……息が……。』https://www.easycorp.com.hk/en/virtual-office
脳が揺さぶられくらくらする。背中を打ったせいか上手く呼吸も出来ない。
「お前みたいな奴がどうやって桂先生に取り入ったんだか。」
藩士はうつ伏せになった三津を足で転がして仰向けにした。
見上げた空には白々と光る月。川のせせらぎが耳に届いた。
「先生もどうしてこんな小娘を庇うんだ。土方の女に間違いない,薄汚いアイツにお似合いの女だ。」
「正直に答えろ,先生に取り入って我々の情報を聞き出し,それを土方に方向しちゃあ褒美に抱かれてたんだろ?ん?」
髪を掴まれ顔を突き合わせられた。
『そんな訳ないやん…。』
三津は力無く首を横に振った。信じてもらえないのは分かってる。
「どっちにしろ生かしちゃおけねぇよ。お前は邪魔でしかない,俺らにとっても先生にとっても。」
男はすらりと刀を抜いた。「んーっ!!」
激しく暴れてもがけば,肩を押さえつけられた。
刀が振り上げられたのを見て三津は覚悟を決めて目を閉じた。
ヒュンッと空を切る音が聞こえたがあれば,
『……あれ?』
どこも痛くなかった。
目を開ければ刀を納めながら,男が卑しい笑みを浮かべていた。
「殺す前に楽しませてもらうか。」
男が斬ったのは両足を縛っていた縄。
解放された両足を持ち上げて,間に体を割り込ませた。
「犯されて無惨に棄てられた自分の女見つけたら,どんな顔すんのか楽しみだな。」
「案外使い捨ての女かもな。土方ならやり兼ねねぇよ。」
冷たい手で太ももをなぞられ,三津は吐き気に襲われた。
この濁った目で笑う奴を見るのは何度目だろう?
『こんな人らに汚されるぐらいやったら…。』
死んだ方がマシだ。
持ち上げられた足をばたつかせ,覆い被さろうとする男の顔面を蹴った。
「いって!!このクソガキ!!」
その形相は土方以上の鬼。
鬼になった顔から景色が入れ替わって草むらになった。
『……あ,痛い。』
左頬に鈍い痛み。そこで初めて殴られたと気付いた。
ぼんやりしていると両足を持って引き摺られた。
『あぁ…またや……。』
二回目の体が宙に浮く感覚。
バシャーンッと音を立てて三津の体は水の中に。
川はそれほど深くないのに,手を縛られてるせいで上手く体制を立て直せない。
「苦しみながら死にやがれ。」
もがきながら流されて行く三津を見ながら鼻で笑った。
『このまま死んでまうんやろか。まだやらなアカン事あったんやけど…。
でも,最期に桂さんに会えただけでも良かった……。』
三津は浮き沈みを繰り返す体を流れに預けて力を抜いた。
「三津っ!!」
『あ,もう幻聴……。』
新平が呼んでると思った。
「三津っ!!」
今度は体が引っ張られた。
口を塞いだ布が乱暴に外され,三津の肺は一気に空気で満たされた。
「げほっ…!!」
飲み込んでしまった水に咽せながら,さ迷っていた焦点を徐々に定めていく。
「しっかりしろ!!」
「吉田…さん?こんな所で偶然ですね。」
三津は青白い顔で安堵の笑みを投げかけた。
「……大馬鹿者。」
吉田は舌打ちをして三津を岸に引きずり上げた。
すぐさま手の縄を解き,氷の様な体を抱き締めた。三津の体はガタガタ震えて,感覚を失った指は全く動かない。
「吉田さん,これなら帰っても怪しまれんでしょ?」
三津が笑うのを見て吉田は唇を噛んだ。噛みきってしまう程強く噛んだ。
「そんなに新選組に帰りたいか…。」