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美海と沖田が乱闘を繰り広げた(美海が殴っただけ)場所の前の部屋が丁度伊東の部屋だったのだ。
伊東が襖を開けた瞬間、先ほど話していた美海を見つけたため声を駆けようとしたら美海が沖田を殴っていた。
沖田はふっ飛んでいた。
「え…?」
沖田くんの方が立花くんよりもでかいよな?
立花がふっ飛ばした?
「あ…あの…えっと…」
“必要最低限は関わるな”
土方の言葉を思いだし、美海はハッとする。
「ぃたたたた…」
沖田は頭を擦っている。
「あはははは!なんでもないです!沖田さん!行きますよ!」
ガシッ
「でわっ!」
美海は沖田の襟元を掴むと伊東に手を上げた。
ズルズルズル…
「ぅわぁぁぁぁあぁ…」
美海はそのまま沖田を引き摺ると暗い廊下を消えていった。
「平助……」
「なんですか?」
「あんな女いるわけがないな。私が間違っていた…」
伊東はげんなりとしている。Business Center for Correspondence Address | easyCorp
「あははは!そうでしょ!あの有名な芹沢も引き摺っていたんですよ!」
あははは!と藤堂は笑っている。
伊東は再び真っ青になると必要最低限は関わらないでおこうと思った。伊東が入隊して一週間。
山崎が見張りをするものの、伊東にも伊東一派にもこれと言って怪しい動きは見られなかった。
グシャッ
スパー…
土方は失敗した書類をぐじゃぐじゃにすると地面に投げる。
煙管を吸っていつも不機嫌そうなその顔は今日は一段とひきつっていた。
あ゛ー―――…。苛々する。
絶対伊東は何か企んでいやがるのによぉ。そんな素振りさえ見せねぇ。
土方は伊東が何も企んでいないとは思わないようだ。頑として自分の意見を変えない。
あの目が怪しいんだよ。
書類に目を通しながらも頭の中は伊東のことばかりだ。決してあっちの意味ではない。
あ。修理費!?高っ!原田の野郎。また辺り構わずものぶっ壊しやがって。
巡回の時、原田が暴れ回ったようで多額の修理費が出ている。
ガラッ!
「「ひっじかったさー――ん!」」
美海と沖田がいきなり部屋に入る。
「あ゛ぁ?」
土方は明らか不機嫌そうな声だ。
またこいつらは…。しかも全く進展してなさそうだな。
「巡回終わったんですけどー――!」
「あぁ。ご苦労。報告書はそこに置いとけ」
「ぅわぁ…なんて心の込もってないご苦労…」
美海はげんなりとした顔で土方を見た。
「俺ぁ忙しいんだ」
「ですって。甘味処でも行きましょう」
「そうですねー!」
そう言うと美海と沖田は部屋を出て行った。
は!何処へでも行きやがれ!お前らの恋なんて一生進展しなかったらいいんだ。はっ!
土方がこんなに苛ついているのは伊東だけが原因ではない。
最近、山南が伊東の部屋に入り浸っているという話を耳にし、苛ついているのだ。
そりゃよぉ。同じ北辰一刀流で昼間っからちみちみ学問に励んでる者同士気が合うのかもしんねぇけどよぉ…。
「はぁ」
いけねぇ。最近の俺は山南さんにまで苛ついてきちまってる。
トンッ
「近藤さんに報告に行くついでに頭でも冷やすか」
土方は一通り仕事を終わらしたらしく、書類をまとめると着流しを羽織り、立ち上がった。
バシャバシャバシャ!
「ふぅ…」
ポタポタ…
土方は近藤の部屋にいく途中の井戸で顔を洗う。
水が滴り、井戸に写った自分の姿が歪んだ。
冷静になろう。
第一山南さんは馬鹿じゃない。伊東派に寝返ることなんてない。
土方は伊東一派に新撰組を乗っ取られることを恐れているのだ。近藤は伊東を信用しきっている。
俺がどうにかしなきゃ。そんなプレッシャーが彼を駆り立てるのだろう。
土方は手拭いで水を拭うと近藤の部屋へ向かった。
「おや。土方くん。こんにちは」
途中伊東に会い、にこやかに挨拶をされる。
「ちはー―ッス」
土方は適当に答え、その場を去った。